仮面ライダー剣香水レポ(2022年初夏まとめ)

 

2022年7月18日に開催されたフェアリーテイルさんの剣の香水トークショーイベント前にそれぞれのキャラクターの香水を試したレポのまとめです。

20周年記念にまとめなおしました。

キングフォームの香りやディフューザー、福岡でテスターのあったブレイドのボディミストの発売前に書いたのでその辺りは比較ないです。

実店舗などでもムエットがもらえたりサンプルがあったりするそうなの距離が近い人はそちらでも試してもらえるといいかも。

あくまで個人的な感想なので捉え方は変わると思うけど、ちょっと気になってるよって人の参考になるといいな!


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数が多いので4日に分けて体験。

1日目・アニメイト剣崎、始
2日目・フェアリーテイル橘、睦月・アニメイトムエットの経過確認
3日目・フェアリーテイル剣崎、始
4日目・フェアリーテイル各種のムエットの経過確認

アニメイトの香水はロールオン、フェアリーテイルはスプレー式のボトル。
どちらもムエット→体温の順で試しました。

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1日目
アニメイト香水からスタート。
ラベルがメタリックで綺麗です。
箱上部がミチミチで全然開かなかったので箱取っときたい人は比較的ゆるい下から出してうまいことしながら上を開けるといいかも。
ひねって開けるロールオンタイプ。
どちらも薄くはあるけど着色されているのでムエットには薄く色が着きました。
白いものや色の着いたら困る場所は避けた方がよいです。

・剣崎・
アニメイト解説文はこちら
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剣崎一真 フレグランスタイプ<フローラル ムスク>
自分の信じた道を進む、真っすぐで熱い想いを持った剣崎一真の性格をイメージした香りです。
レモンやユーカリ、リネンのさっぱりとした香り、
ホワイトフローラル、アンバーが運命に立ち向かう一真の真っすぐな性格を思い起こさせます。

Top note:レモン、ユーカリ、青リンゴ
Middle note:リネン、フォレストグリーン、グレープ、セダーウッド
Last note:ホワイトフローラル、アンバー
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蓋を開けた時点では爽やか系の男性向けの整髪料のような香り。
【ムエット】
柑橘系ではないけど清涼感が強いかな?
時間を置くとフルーツ感が増して少し柔らかくなりました。
しばらく置いてみるとユーカリの瑞々しさが残りながらも柔らかく優しくなりました。
最終的に最初に蓋を開けた時と同じような印象まで変化。

【体温】
手首は変化が早い!
清涼感スタートかと思いきやすぐさまフルーツが!
体温変化だと柑橘ではなく青リンゴが強くでてます。
そのままフルーツ感を保ちながら落ち着いた変化をして最終的にはフローラルになりました。


・始・
アニメイト解説文はこちら
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ミステリアスで口数も少ないけれど、大切な人を思う相川始の性格をイメージした香水です。
イランイランやマグノリアのふんわりしたホワイトフローラルにアニスの甘く爽やかなスパイスが響き、
感情はあまり出さないけれど奥に秘める優しい心を持った始の性格を思い起こさせます。

Top note:ベルガモット、アニス、バニラ
Middle note:イランイラン、ライム、マグノリア、サンダルウッド
Last note:ベチバー、桜葉、ムスク
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【ムエット】
蓋がアホほど堅くて全然回んなくてびっくりした。蓋の個体差が厳しい。
ロールは固いとかではなかった。
こちらは一転して華やかな香り。
Francfrancの寝具コーナで炊いてそう。
開けただけと塗るとでは香りの印象が全然違う!華やかさより力強さが先にくる。
しばらく置いてみるとガツンときたスパイシーさに華やかな甘さが追いついてどちらも優しくなってきました。
最終的に最初に蓋を開けた時と同じような印象まで変化。

【体温】
こちらはムエットでは強く出たスパイシーさではなく柑橘系のさっぱりからスタート。
すぐさまフローラルになるも時間の経過とともに落ち着き、ムスクが香るリラックス系に。
出だしは違いつつもムエットより大人しく、さらに柔らかくなる変化でした。


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2日目
まずは前日のアニメイト香水のムエットの確認から。
香りはまだあるけど着色もそのままです。
変化はあまりなし。

フェアリーテイルは橘さんと睦月でチャレンジ。
瓶のサイズは8.5×5×5くらい。
蓋は捻らずそのまま持ち上げて開けます。
1プッシュでしっかりミストが出ます。

・橘・
フェアリーテイル解説文はこちら
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「最後に残ったものだけは失いたくない。信じられる・・仲間だけは!」

仮面ライダーギャレン=橘朔也をイメージした香水です。
フローラルシプレーのパワフルな香り立ちのトップノートは、礼儀正しく優しい人柄で、後輩の剣崎一真からは尊敬の眼差しで見られ、
冷静に戦況を判断して戦う橘朔也=ギャレンをイメージ。
フレッシュなみずみずしさが上品に合わさるミドルノートは”破滅のイメージ”と恐怖心を完全克服した橘を表現しています。
良き先輩ライダーとして仲間を支えつつ、多くのアンデッドを封印する橘がイメージされたラストノートは
センシュアリティなダバナとコクのあるサンダルウッドが香りに温かみを加えています。

香調:フローラルシプレーノート
トップノート:ミラベル、スパークリングライチ、オレンジ、ベルガモット
ミドルノート:フリージアジャスミン、ダバナ
ラストノート:オークモス、ホワイトムスク、サンダルウッド
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【ムエット】
フローラルな大人のいい香り!
序盤に少し柑橘の香りがするけど基本甘すぎないフローラル。
めちゃくちゃ大人。
剣本編最序盤の橘さんに憧れる剣崎の幻覚が見える。
ムスクが香っても少し柑橘がいる。
昨日のアニメイトの剣崎と始の香水の良いとこ取りな感じ。
時間を置くと花香る甘さがメインで残りました。
更に時間経過でどちらもムスクに寄ってきましたが橘さんは柑橘が立ってきました。
橘さんに優しさや儚さを感じたい人には是非ムエットで楽しんでもらいたいです。

【体温】
つけ始めすぐめちゃくちゃフレッシュ!!!
でもすぐにフローラルに。変化が早すぎる。
ムエットの時にはあった柑橘らしさは速攻いなくなりました。
その後も少し甘めのがフローラルメインです。
日常使いするなら橘さんはレディース寄りかな。


・睦月・
フェアリーテイル解説文はこちら
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「俺は、俺は・・・仮面ライダー仮面ライダーレンゲルだ!」

仮面ライダーレンゲル=上城睦月をイメージした香水です。
レンゲルのカラーである”緑”を彷彿させるグリーンマンゴーやロータスフラワーのエキゾチックなトップノートは橘の導きに応えるように
仮面ライダーとして一番大切な”戦う理由”を得てレンゲルとしてアンデッドと戦う睦月をイメージ。
ミドルノートのイグサやカラムスの柑橘系のハーブが与える香りの変化は睦月の”強さ”に対する想いを表現しています。
シクラメンが加わったラストノートのアロマティックな情感の香りは、城光と嶋に後押しをされ、キングラウザーを手にスパイダーアンデッドを倒し、
完全にレンゲルの力を自分のものにしたときの睦月の“最強の力“がイメージされています。

香調:ウッディ・スパイス・シトラスグリーン
トップノート:ピンクペッパー、ベルガモットグリーンマンゴー、ロータスフラワー
ミドルノート:マリンアコード、カラムス、カルダモン、ゲラニウム、イグサ
ラストノート:アンバー、ムスク、パチョリ、シダーウッド、シクラメン
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【ムエット】
ちょっと甘めだけど緑が香る!みずみずしくて森林浴してる気分になる。
途中から更に緑が増してきて植物園らしさが出てくる。
草っぽさすごい。
橘さんの香水とは方向性が違うけどこちらも大人の香りになってくる。
ドラマCDの時の睦月がつけてそうっていうか、なんか、こ、このーー!!
時間を置くと緑っぽさがメインで残りました。
更に時間経過でムスクに寄ってきましたが甘さが立ってきました。
青年の成長が感じられてめちゃくちゃ楽しいです。

【体温】
柑橘系からスタート。
ムエットの時には強く出てた緑っぽさがかなり抑えられて柑橘といいバランスでおさまってます。
ユニセックスに使えるという印象。


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3日目
前日のムエットの確認から。
アニメイトは少し香りが少なくなってきました。
橘さんは甘さが、睦月は緑っぽさがメインになってました。
香りもしっかり残ってます。

・始・
フェアリーテイル解説文はこちら
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「本当に強いのは・・・・ヒトの想いだ!」

仮面ライダーカリス=相川始をイメージした香水です。
爽やかさとクールな香り立ちが合わさるトップノートからミドルノートは口数が少なくクールな相川始と、アクロバティックな動きで圧倒的な強さを誇る“カリス“をイメージ。
フローラルノートが加わり、優しい香り立ちへ変化するラストノートは、人間として生きる決断を下し、天音の待つハカランダでの平穏な生活に戻っていく始をイメージしています。

香調:フゼアマリンウッディ
トップノート:シトラス、フゼア、スプラッシュウォーター、フルーティーアコード
ミドルノート:ラベンダー、ローズ、バイオレット
ラストノート:ムスク、マリンアコード、ウッディアコード
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【ムエット】
蓋を開けた時は男性向け整髪料の香りでちょっとハラハラした。
燻ったような香りとフレッシュなフルーツの香りがします。
しばらくすると甘すぎないお花の香りになってきました。
昨日の橘さんの香水よりも更に落ち着いた香り。
始さんからこの香りしたら豊かな人間性があり過ぎない???と思ったんだけど知る人曰く始役の森本さんがつけてる香りに近いらしくて同じ人物が同じ香りで繋がらないバグが起きてます。
ヒューマンアンデッドでもない気がする…?
しばらく置くとお花がメインに。
全体的に出だしで一瞬だけカリスがいて、あとは本編後半によってる印象です。

【体温】
ムエットと違いみずみずしいスタート。
後から追いかけてくるラベンダー系の香りのなかにもみずみずしさがキープされてます。
少し柑橘があるかな?バランスはいいです。


・剣崎・
フェアリーテイル解説文はこちら
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「俺は運命と戦う。そして勝ってみせる」

仮面ライダーブレイド=剣崎一真をイメージした香水です。
シトラス・スパイシーのエネルギッシュな香り立ちのトップノートは熱血漢で、どんな困難があっても折れず、過酷な運命にも果敢に立ち向かう剣崎をイメージ。
スタイリッシュで屹立としたスパイシー・アロマをただよわせる香りに変化するミドルノートは戦いを経るごとに成長し、
自身が”仮面ライダーである”ことを強く理解した剣崎の強い想いを表現しています。
香りをドライダウンさせ、センシュアルな香りに変化するラストノートは人々のため、友のため、そして自身の運命に勝つために、独り戦い続ける剣崎をイメージしています。

香調:フローラルウッディシトラス
トップノート:金木犀、柚子、ジャスミン
ミドルノート:アイリス、アプリコットマグノリア
ラストノート:ムスク、シダーウッド
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【ムエット】
これまでの香水と違って蓋開けた時点ではほとんど香りがないです。
え?どうした?
ムエットにシュー!うわーーー!!青い!!!!!
若さある人間の香りがする!!
出だしから綺麗すぎる!!!
フレッシュさが強い!!のにあっという間にいなくなりました。
は???
これまでのより奥の方で香りがある???
ちょっと過ぎ去るスピードが早すぎて混乱する。
少し落ち着いた香りになると柑橘系とフローラルがかすかにいます。
深く吸い込んでリラックスするようなタイプの香りです。
吸い込まれるような青空か???
しばらく置くとすっきりした柑橘系になりました。
でも距離が遠い。なんで???

【体温】
爽やかなスタートもやはり爆速でどこかにいってしまう。
同じ試し方してるのに1人だけ残り香状態。
こちらも爽やかさが維持されてるけど甘くはならないです。

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4日目
橘さんと睦月は前日から変化なし、香りも残っています。
剣崎と始は少し差はあれどほぼ同じ香りになりました。
噂通りのやつこれかぁ~~~…
そして前日と同じく剣崎だけが遠いです。
橘さんと睦月も始もいるのに剣崎だけが遠い…どうして…

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・総評・
始と剣崎の香水の好み断然はフェアリーテイルさん!!
アニメイトさんと比べてキャラクターの解釈としては間違ってる間違ってないとかではないんだけどフェアリーテイルの方が圧倒的な解像度です。別側面として楽しむとかしてもいいかも。

フェアリーテイルさんはもうね、香りで楽しむ剣本編。
ドラマCD含めても違和感ないくらいです。
剣崎と始は同時に使用すると最終的の花束持って銀杏並木歩く始とベンチの剣崎の幻想が見える。


橘さん:今回試した中で一番甘さある。ちょっと気分上げたい日によさそう。
睦月:一番物語性があって変化が面白かった。草っぽさというより緑っぽい。香水なのに色が見えるのすごい。
始(アニメイト):本編前半。
始(フェアリーテイル):本編後半。最終回とドラマCDの穏やかな生活が花香る。
剣崎(アニメイト):本編前半。
剣崎(フェアリーテイル):本編後半というか最終回。青空になる。すぐいなくなる。行かないでほしい。


みんなも香りで楽しむ剣本編を手に入れよう!

スーパー戦隊シリーズはサポートキャラクターで金脈を掘り当ててほしい話

もうすぐ新戦隊の季節ですね。
寂しいです。ゼンカイジャー終わらないでほしい。
そしてこの時期になると「スーパー戦隊シリーズのおもちゃの売れ行きが芳しくない」という話を目にすることがある。
ここで指すおもちゃとは合体するロボや変身アイテムのこと。
ウルトラマンシリーズは売上を伸ばし仮面ライダーシリーズも著しく失速していないが、
スーパー戦隊シリーズのみが年々下落傾向にあるというもの。
「1つ買うだけでは済まないので親の財布から敬遠される」「ストーリーは評価されているがおもちゃにはそそられない」
などいろいろな事情があるのだろうけれど正直なところは分かりません。
しかしここでいつも思うのです。
「どうして売れそうなのにいつも出ないんだろう」というおもちゃがあります。

 

私がいつもあったらいいな、と思うのはサポートキャラクターのおもちゃなのです。
ゼンカイジャーで言うならばセッちゃんのおもちゃです!!!
なんでないの??!!
キラメイジャーの博多南さんの立体おもちゃがないのは分かるけどセッちゃんロボじゃん!!!!
界人やステイシー、キカイノイドの4人やゴールドツイカー一家も十分魅力的なんですけど売れる可能性十分あると思うんですよ!!!

 

今日はスーパー戦隊シリーズではサポートキャラクターが一番魅力的だと思っている話です。
ここさえうまく絡ませさえすればロボや変身アイテム以上の金脈では…!
ということで語っていきますね!!!

 

サポートキャラクターの魅力。
まずはデザイン。
親しみやすさや分かりやすさを重視し、作品のモチーフを存分に練り込まれた存在です。
仮に主人公たちが黒塗りシルエットになっても特徴がないと判別は難しいのですが、
サポートキャラクターたちは主人公たちに比べるとかなり分かりやすいです。
スーパー戦隊オフィシャルのツイッターアカウント(https://twitter.com/sentai_official

)でも事あるごとに登場し、作品名が明記されずとも分かる存在感があふれ出ています。

 

次にサポートキャラであることの特性。
サポートキャラクターは主人公たちをサポートすることが使命であり、
主人公たちのために活躍する頼りになる最高の味方です。
変身アイテムや主人公たちに敵に対する探知機能などがない場合は「大変大変!街に○○があらわれたよ!」と言ってくれる
大変重要なポジションを与えられています。
いわゆる「椅子の人」ってやつです。
そのためサポートキャラクターがピンチに陥ると主人公たちはこぞって助けてくれます。
作品によってはサポートキャラクターのほうが甲斐甲斐しくメンテナンスなどしてもらうことも。
主人公たちのピンチを救う一手を投げかけたり、必死に物資を届けたりと活躍の方法は様々。
時には主人公たちのメンタルも手厚くサポートしてくれます。
そしてその使命を全うするためにほぼ毎回出番があります。


絶対金脈だよねーーーーーーーーーーーー!!!
マスコットも兼任してたりするってことはさぁ!!!!そういうことじゃないんですかねぇ!!!
なりきりの時に絶対欲しいと思うんですけど??!!!
分かりやすいとこだとジオウのなりきりするとしてウォズが傍にいて欲しいのと同じ気持ちです!!!
近々だとリュウソウジャーではティラミーゴがそのポジションだったこともありましたね。
しかしティラミーゴが比較的自由にしていたこと、サポートキャラクターはオトちゃんやういちゃんのポジションであったこともあり
もっとがっつり絡んでいたらいろいろ化けたんじゃないかと思います。
マジレンジャーだとマンドラ坊やゴーオンジャーだとボンパー、ゴセイジャーだとデータス…いっぱいいるじゃないですかぁ…!!
マスター・シャーフーはソフビもありましたね!そういうの続いてほしかったなぁーーーーーーーーーー!!!

 

「そんなこと言ったってスーパー戦隊シリーズプリキュアじゃないんだからサポートキャラクターをそうそうおもちゃにはできないよ」って
思われそうなんですが、この「サポートキャラクターとメインキャラクターの両立」をした前例は普通にあるんですよね。
すぐ思いつくところだとスーパー戦隊シリーズだとデカレンジャー、ゴーバスターズ辺りです。

デカレンジャーでは地球署の所長ドギーです。
基本的には作戦指示係ですがストーリーが進行すると自らも変身しデカマスターとしても活躍します。
所長として主人公たちを導き、癖の強いメンバー内でひとたび喧嘩が起きればうまく対処し、事件に対する責任感や度量もあり、変身後はもちろんめちゃくちゃ強い。
憧れないはずないですね。
凛々しい顔のドギー、変身後のデカマスターの両方のソフビも販売されました。

ゴーバスターズのバディロイドも基本的にはサポートキャラクターのポジションです。
戦闘やデータ解析など特命部のメンバーと共にバディロイドが担っています。
主人公たちの精神的な支えとしても時にはコミカルに、そして真剣に向き合い、ストーリーの展開にも大きく絡んでいました。
各種ソフビなどは発売されましたがロボに搭載されたときの操縦桿やぬいぐるみ、ロボとかロボとかロボとか…!!!
もっといろいろ展開があってもよかったと思っています。


このあたりのサポートキャラクターの活かし方は仮面ライダーシリーズやウルトラマンシリーズには大きく登場していますね。

ウルトラマンシリーズはサポートキャラクターの操縦するメカが分かりやすいです。
最近ではトリガーのナースデッセイ号やガッツファルコン。
作中では主人公のケンゴではなくサポートキャラクター達が操縦しています。
一番の売れ筋である怪獣のソフビもギンガSのシェパードンやXのゴモラ、Zのセブンガ―などは
ストーリーでも華のあるサポートキャラクターでした。
おもちゃとしてもウルトラマンをサポートしたり、はたまた戦わせたりと遊び方もたくさんです。


仮面ライダーシリーズもこの方法でおもちゃ売り上げで一発大逆転ホームラン決めてます。
ほぼ毎年なんらかの動きをしている電王の味方側のイマジンはかーなーり分かりやすいです。

主人公である良太郎が変身後も劇的に弱いこともあり基本的にイマジンがサポートしなくては戦闘もままなりません。
敵方のイマジンを感知することも彼らの仕事です。
終盤にかかると良太郎自身も強くなり、変身後にイマジンのサポートは必要なくなる(できなくなる)のですが
それはそれとしてイマジン自身も仮面ライダーであることを武器として戦えるようになりました。
デンライナーなどはギミックも子供の喜ぶポイントの多いおもちゃで良かったですが、まずは作品を見もらっていること前提になるので、ベルトや武器となるとやはりイマジンの人気が後押しした部分は大きいと思います。

仮面ライダーシリーズはスーパー戦隊シリーズよりサポートキャラクターがメインキャラクターと組んで戦うことも多く、オーズのアンク、ドライブのベルトさん、ジオウのウォズ、ゼロワンのイズなんかもそうです。

 

ここまでくるとゼンカイジャーのキカイノイドのメンバーも完全にこの流れに乗れそうなんですけどねぇ…。
各々に成長要素があり、なんとロボにもなれるのですが、メインになりそうな要素が他のキャラクターにも振り分けられてしまっているのではないでしょうか。
探知、解説、マスコット要素はセッちゃん。
ヒロイン要素はヤッちゃんとステイシー。
サポートは本編でも大活躍のフリント。
主人公である界人とゾックスも牽引力がとても強いので、全体的なサポートも両立しているところがあります。
キカイノイドの面々は性格的な面は表情豊かですが、活躍の場は話を回すところに寄ってしまっている印象なので、いろいろとストーリーの勢いに流されてしまっている気がします。

 

メイン商戦のロボや変身アイテム、武器が伸び悩んでいるらしい昨今、是非目を向けてもらいたいのがサポートキャラクターです。
放送前から売りどころが決まっているので難しいところは多いと思いますが、
よっぽどのことをしない限り安定した登場が約束されている部分ではないかと。
少しばかりの余裕ができた時にでも、そうなったら嬉しいなぁと思ったのでした。
応援してるよサポートキャラクター達。

仮面ライダービヨンド・ジェネレーションズのRXと仮面ライダーSDの話

仮面ライダービヨンド・ジェネレーションズ見ました。
親子の絆と仮面ライダーの歴史という組み合わせにその方向から切り込んでくるとは!
あらすじを全く読まずに行って大正解でした。
今作は過去と現在と未来が交錯するSF作品。
50周年記念作品ということもあるのですが、個人的に懐かしいものに会えた気がしたので書いてみました。

 

紹介するのは現在(2021年)のライダー達が50年後の未来(2071年)で奮闘するシーン。
未来のベルトの力を使い現在から未来へ移動するのですが、システムの都合上いつもの通りに変身することができません。
その解決策として通常の変身ではなく狩崎が開発したクローンライダーシステムというものを用います。
分かりやすく説明すると狩崎がチョイスしたライダーに変身するというもの。
CMやOPに出てる乱闘シーンがそれですね。
その中でバイス仮面ライダーBLACK RXに変身し、いつも通りのコミカルな動きを交えながら戦うことになる。

 

仮面ライダーBLACK仮面ライダーBLACK RXといえば去年仮面ライダーBLACK SUNとしてリブートも決まった大人気作。
熱狂的ファンも多い、と思っている。
TVシリーズ全ての話数を完走してはいないのだが硬派でカタルシスに重きを置いた作風という印象。

下手にいじると良くなさそうなイメージがあるなと思いました。

そんな作品の仮面ライダーが「中身が別人とはいえ、仮面ライダーBLACK RXがお祭り映画だからとふざけ倒したキャラクターになって大丈夫なのか」と疑問に思うかもしれない。
分かる。キャラクター性は大事。
一人称「俺」のやつが「僕」とか言い出すと村が火事になるやつ。

そんなかっこいいRXを崇拝している方には申し訳ないが私はそのコミカルなRXがとても嬉しかった。
何故ならすでに仮面ライダーBLACK RXが、それどころか仮面ライダーも怪人もふざけ倒している映像作品があり、その作品が大好きだったから。

それは「仮面ライダーSD」というアニメである。

仮面ライダーSDとは1991年に仮面ライダーシリーズが20周年を迎えたことに合わせて展開された企画のこと。
コミック、ゲーム、アニメと多方向にアピールされていたのでご存知の方もいるかもしれない。
仮面ライダーたちはかわいくデフォルメされた姿で登場し、基本的にはギャグテイストだがもちろんシリアス展開のものもある。
もちろんバイクにも乗る。
そんな仮面ライダーSDではアニメも製作されました。
とても残念なことに1本しか製作されていないのですが豪華声優陣はもちろん、おやっさんこと立花藤兵衛は実写版の小林昭二さん本人が声優もされています。
30分の枠にぎゅっと凝縮されたテンポのいいギャグとかっこよさのバランスの良さ、王道のストーリー展開は何度もリピートしたくなります。
特にOPのはちゃめちゃ感な楽しさと口ずさみたくなるかけ声の語感の良さはクセになる。
なぜか敵メンバーの中にいる仮面ライダー真さんの画像で見たことある人もいるんじゃないかな。
脚本は来季のスーパー戦隊シリーズ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」を担当する井上敏樹さんです。
井上敏樹さん脚本のギャグ展開と言えばだいたい空気が分かる人もいると思いますが、つまりそういう感じです。

このアニメの主人公は仮面ライダーBLACK RX
先輩であるZXに絡まれてはプロレス技をかけられたり、度胸試しをさせられたりしている。
性格は優柔不断でみちるという女の子に恋をしているが踏ん切りがつかず告白できないでいる。
完全にいじり倒されています。
これがギャグの力。硬派どこ行った。
他のライダーはもちろん怪人軍団もいじり倒されています。
私はこの作品に登場するZXのしゃべり方が大好きだったので、去年ウルトラマンメビウスをマラソンした際には「なんで難波圭一さんのウルトラマンがいるって誰も言ってくれなかったの!!」と一人で大暴れしていました。
ウルトラマンヒカリサーガとウルトラファイトビクトリーも見ました。
ドラえもんズはいつ歴史の闇から戻ってくるんでしょうね…

 

私はテレビで放送されていたRXよりも先にこの仮面ライダーSDに出会い、繰り返し見ていた世代なのでこちらのRXの方が親しみがありました。
仮面ライダービヨンド・ジェネレーションズではそんなくだけたギャグアニメ、仮面ライダーSDのRXに会えたようで嬉しかったです。
ありがとうバイス。ナイスチョイス狩崎。
多分記念の年だしリブートやるから程度で、公式は多分そんなこと考えてないだろうけど。
仮面ライダーSDのアニメは現在東映特撮ファンクラブでも見ることができます。

興味を持った方は是非、コミカルなライダーたちのてんやわんやを楽しんでみてください。

熱血、狂え。「12人のイカれたワークショップ」が爽快に怖かった感想

12人のイカれたワークショップ


見てきました!こ、怖かったー!!!!
これからどんな気持ちでエンタメ楽しんだらいいか分からないよーーーーー!!!!

きもちいいくらいタイトル通りの映画でした。
心の耐久度が低いときに景気づけで見ない方がいいのかとも思いつつ、
でも底知れないエネルギーを浴びたい人にはおすすめしてみたいです。
怖かったー!と思った部分に関しては全然怖くない人もいるんじゃないかと思います。
何かに真摯に向き合っているのなら当たり前のことなんでしょうね。
タイトルの「イカれた」の部分は「怒れた」とひっかけてます?
もちろん「イカれた」にひっかかる部分は相当出てくるんですがそうじゃなくて。
最後まで見ると「こういう映画撮ろうか」って発想からどうかしてると思います。
「そりゃあ有名なタイトルをもじってるんだからそうでしょうよ」となるんですが、
そこに隠れてる「怒れた」ことがこの映画の核心にあるんじゃないかと。
イカれて怒れたのは何に対してなのか、その先になにがあるのか、そんな映画でした。


まだ公開中なので作中でなにが起こるかはできるだけ伏せますが感想としてはリョナだこれ!!!って感じでした。
いや、リョナってなんやねんと思われるかもなのでふわっと説明すると「猟奇に美を見出した性癖」です。
詳細はググってもいいけど自己責任でね。

ドキュメンタリーにはじまり
淡い期待でできた青春を、
エンタメという暴力の大義名分で包んだら、
圧倒的熱量と理論で仕立てた道路に放り出して、
感情で車が壊れるまで轢かせ続ける分からせ系リョナ映画って感じ。

字だけ並べると何も分からないですね。
しかしそりゃあ予告ああなりますよ!と納得の内容です。
予告で全部説明してるタイプの映画です。
とっても親切ですね。

この映画に含まれている成分めちゃくちゃに多いですが、
それは1つのことを成り立たせるためだけに揃えられています。
おそらくなんですがメイドインアビスと同じ成分なんじゃないですかね。
田口清隆と青柳尊哉でお送りする実在版メイドインアビス
怖くないわけない。
田口監督はオーゼンだと思うんですがこの映画の中ではボ卿です。
メイドインアビス見たことある人はこれでだいたい分かるんじゃないでしょうか。
青柳さんはプルシュカですかね。
アビスはこの映画のテーマそのものじゃないでしょうか。

でも「この映画面白いから見て」とふりまくには難しいなと思ったので文章という形で出力してみることにしました。
「背景もきれいだし作画すごいしかわいいからメイドインアビス見て!」も勧めたあとの責任取れないですからね。
これからも劇場での公開予定がいくつかあるそうなので興味ある人は是非映画館へ行ってみてください。


流石に予告通りです!だけではなんやこれになってしますので、ちょっとだけ映画の内容に触れておきたいと思います。
予告にもある通り「ワークショップを経て課題映画を撮る。そこに参加する12人と監督」という内容の認識で正しいです。
基本的には2部構成になっていて前半はドキュメンタリー、後半は課題映画の撮影です。
前半のドキュメンタリーは人数こそ多いですが、大事なことがとても丁寧に説明されます。
ここでの内容も心にぐっさぐさに刺さる人もいるでしょう。
なぜここにいるのか、どんな人がどういう考えで何をしたいのか。

この映画の最後で問いかけられることもこの時点でしっかりと切り取られているので油断は禁物です。
個人を把握しておく必要はありますが、群像劇では定番の参加者同士の関係性はあまり汲まなくていいのは見やすさポイントだと思いました。

後半の課題映画はドキュメンタリー部分を見ていることでしか味わえないのがとても楽しいところです。
「あの演出されたこの部分はこうなったんだな」「あの人はこう考えて動いているんだな」など、
映画を見ている観客にも関わらず作り手になったような錯覚を覚えます。
課題映画のストーリーも謎が謎を呼ぶ展開なので受け身でそちらを追うとただの観客に戻っていくような不思議な感覚も味わえて面白いです。

この映画のキーワードは予告でも紹介されている「上位存在」そして作中で度々出てくる「理力」。
「上位存在」は映画の中で明らかになるので省略。
「理力」は序盤から登場し説明もされて一旦はなるほど、と思うのですがその説明こそが偽りで真実です。
どちらのキーワードも映画鑑賞後に改めて考えるといろいろ浮かんでくる不思議な単語です。

そしてより厄介なキーワードが「ワークショップ」。
タイトル通り「ワークショップ」を成立させるために「上位存在」「理力」というものが存在するのですが、
ワークショップに参加した12人は物語の終盤に向かうにつれ「ワークショップ」という単語に振り回されることになります。
「ワークショップ」は手段であり目的です。
そもそもこの「ワークショップ」が何なのかは前半のドキュメンタリーの最初に提示されていてそのための後半の課題映画なんですが、
回収方法が完全に暴力なので心臓が痛くなります。
ここでいう暴力は悪い意味ではなく成し得るために必要な暴力というやつです。
殴って血が出てとかではないので安心してください。
まぁいっぱい吐血するし血が出るくらいの事が安いぐらいのことになってますけど。

そしてその全てを熱量でカバーする力技。
これがないと映画としても成立しなかったやつです。
フードファイター監修致死量ドカ盛どんぶりに「うるせーーーーーーーーーーー!!!!お米大好き!!!!!!」と叫びながら
炊飯器ごとお米追加してタイムアタックさせるようなパッションがめらめら出てます。
まさに力こそパワー。
暴力を以ってして真正面からぶつかることでしか出会えないものとぶつかる覚悟が必要だと叱ってくれます。
叱られた気には勝手になってるだけかもしれません。
でもそこに立ち向かうことを本当に心から応援しているんだとも感じました。
そうでないとあのラストにはならないです。
身が融け落ちるほどの熱血。
血が煮えたぎってます。


以前の写真集の記事のおまけにつけたように
「自分にない引き出しを持ってる人がそれを選んでそれを良しとすること」には恐怖を覚えるタイプです。

青柳尊哉さん写真集「a Life」/写真集が苦手なのに写真集を買った話 - うめ茶漬けレモン砂糖漬け

12人のイカれたワークショップでもその恐怖感が存分に味わいました。
この映画見て一緒にイカれようぜ!などとの誘い文句はとても言えませんが、気軽に手を出して心に大やけどしてほしいと思います。
パンフレットは製作されていないのですが映画のラストからの情報量が圧倒的に足りない…!
映画のラストをメインに始まるロングインタビューやオーディオコメンタリーがめちゃくちゃ欲しくなるので
舞台挨拶やトークイベントなど立ち会えそうなら是非行った方がいいと思います…!!!

舞台「迷子」アーカイブ見ましたので箇条書き吐き出し

読み物の整理のため移動させてきました。
展開ネタバレあり。箇条書きなので読みにくいです。

記事の内容は古いですが今後再演などがあるかもなので置いておきます。

 

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・時間制作さんの舞台初めてなのとチラシのあらすじから逆転裁判みたいに「原告被告双方の話から決着を探す」みたいな話だと思ったら原告側メイン「身内のような知り合いとはいえ他人」という変えようのないものを背負った泥沼がデフォルトだったのでマイナス判定しか入らない時間無制限のボーナスステージって感じだった…日常発地獄行き鈍行列車…

・ユキちゃんは進展も後退も核心に触れることも避け続けたのに「俺が引っ張っていかなきゃ!」って空回ったまま周りだけ変わっちゃって、どんな形でも進もうとしたマキちゃんがもうどんずまりでマキちゃんの望む助けは来なくて、保身で証言しなかったショウちゃんはなんらかの軌道修正を試みるも結局最後全部なかったことにしたのずるい。

・これまでの全部を捨てて新しく生きていくを有言実行した新生ショウちゃんはメリバなの…その…ずるくない…?
劇中で自分はずるいって自答したけど最後までずるいじゃん…な、なんなんだあいつ…。
マキちゃんのお母さんはこれからの全部捨てる形で死を選んだけどメリバというより全員に呪詛を振りまいて死んでいったのにその呪詛はショウちゃんにはかかってないんだよなぁ…。

・パンフ読んでないので細かい設定は調べてないんですがそもそもショウちゃんが本当に分からないんですよね…。
部屋は借りてるのでどこからどこまでが私物なのか分からないしショウちゃんの行動や性格はいつもユキちゃんが定義してくるんだけどそもそも説明を担っていると思っていたユキちゃんの記憶が「こうであってほしい」に由来しているのでその説明自体が合ってるのか分からない。
ユキちゃんがマキちゃんとショウちゃんを探した話も実はショウちゃんは本当に泣いてなくて「ショウちゃんは泣いてたはず」だという思い込みかもしれないし。
そんな扱いのショウちゃんだから「両親が亡くなって辛い可哀想な子」とマキちゃんのお母さんから圧をかけられてたらショウちゃんが新しく証言しても誰もショウちゃんが何を考えて話したのか聞かないのでは…。
ユキちゃんはマキちゃんにも「マキはこうだ!」と決めつけている節があるのでいざマキちゃんにうまく対応するお兄ちゃんに「マキちゃんはそうじゃないのになんで?」と思ってるのかもと感じた。
お兄ちゃんは出てきた時は裁判に関しては完全に部外者で曲者感があるんだけどイタズラに引っ掻き回すでもなく相手を見てしっかり対応できる自分てのが育ってるんでしょうね。
流石二児の父。
アイリちゃんも家庭内が辛い状況なのにあえて相手に自分を合わせるだけじゃなくて自分を見てほしいとアピールできているのでユキちゃんだけが音頭が下手くそな太鼓持ちな印象になってしまうな…。

あとショウちゃんは家族とのやりとりが万華鏡の話以外極端に少ないのでおじいさんの手伝いをしようとした悪い人間ではないというあたりしか事件以前の性格も分からなくて、自分が原因の一端である罪の意識に苦しんでいたけど消火活動の際も適切な行動がとれたのかも実は分からない。
ユキちゃんがショウちゃんとお兄ちゃんの部屋でビール飲む時の動きから決断力の弱さや落ち着きのなさはあったのにユキちゃんはそれがショウちゃんだと思ってるから両親が亡くなってようが変わらずそのままでいてほしかったんだろうね。
ショウちゃんも「他人がこうなってほしいと望むような行動をする」という所があるのでこの2人は相当相性が良かったんだろう…。

「これまでの他人のための自分」と「自分のための自分」も捨てて気弱でもなくおどおどしてない、ユキちゃんがこれまで見ようとしなかったショウちゃんが隠れていた本来のショウちゃんだったんだとしたら。
ユキちゃんの知らないショウちゃんとユキちゃんの知らないマキちゃん。
ユキちゃんの苦しみはこれからだ。


・光と音の演出がめちゃくちゃに怖い

・最初にマキちゃんのお母さんが登場する際にお母さんを呼ぶ女の子の声がする。
お父さんは無反応だったのでこれ中盤までは「あの日のココミちゃんの声とお母さん」ってシチュエーションだと思ってたんだけど最後のマキちゃんの声まで聞くと「ずっと助けを求めていたのはマキちゃんだけどお母さんには届かないしお父さんにも聞こえないか聞こうとしていない」というのも重なってたのかと思うとこの仕込み怖すぎません?

・お祭りの日のショウちゃんの縋るような踊りが怖すぎる。
火あぶりの刑に処されているような身体な躍動と呼吸の音だけになっていくのが深海溺れていくようにも見えてひたすらに苦しい。
ちなみにここのシーンでなぜか再生が止まってしまって「この続きを見るって自分で選択しなきゃなのか…」としばらく読み込みさせるまでの時間がやたら長く感じました。

・マキちゃんのお母さんが簾を閉じるシーンで直前に終わらせ方の分からない編み物をハサミで切っていた時と同じくハサミの音がするのがめちゃくちゃ不穏。
毛糸からの首吊りの流れは町田さんの怒りや悲しみが紐という形になったようにも見えた。
冒頭で盆栽にハサミを入れる時もユキちゃんのお父さんの心情はとてもまともではなかったし左右を整えたはずの盆栽はハサミを入れるほど緑の豊かさを無くしていくのが「この舞台の中でハサミとは何を切るのか」にかかっている気がする。
包丁じゃ未遂に終わったのでやはりハサミである必要があるんじゃないかな。


団欒のシーンですら常に居心地の悪いギスギスした緊張感が漂っていたのとても凄かったです。
何回も見るにはメンタルがやられそうなので1回しか見れなかったけどもっと色々仕込まれてると思います。
個人的にはこれからを生きるのが一番ヤバそうなのはマキちゃんのお父さんな気がする…。
元生徒の2人もこれから進み出したはずの道でやっていけるのか…弁護士先生もあのまま弁護士でいられるのか?
マキちゃんのお母さんの呪詛効いてる効いてるぅ。
心にずっしりと煤が積もるような舞台でした…。
いや、心は…心はどこにあるんだろうね…。

舞台「受取人不明」高木大石ペアと青柳須賀ペア感想

読み物の整理のため移動させてきました。
展開ネタバレあり。箇条書きなので読みにくいです。

記事の内容は古いですが今後再演などがあるかもなので置いておきます。

 

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受取人不明
高木大石ペアと青柳須賀ペア感想

 

・高木マックス
非常に愛らしい。
飴舐めてにこにこ笑顔とかあなたはリスなのかな?
マルティンへの不信は持ちつつも絶対的に信頼してた感。
グリゼレの安否を綴る辺りは悲壮感漂う焦りと縋りになり、グリゼレの死にはしばらく床に丸くなって泣いて悲しんでた。
マルティンへの報復が始まってからは急に大人しくなったうえに基本が明るかっただけにその後の悲壮感がすごい。
タバコはマルティンの懇願が来て初めて吸った。

 

・大石マルティン
神経質そう。
序盤から貧乏ゆすりしまくってたのにナチスに傾倒してからはとってもゆとりたっぷり。
「君に祝杯を上げてる」と言いつつも祝杯は飲まなかった。
ユダヤに対して嫌悪感が凄まじく軽蔑しまくってたしグリゼレのことは家の安否よりユダヤまじ許さんになってた。
言い訳すらも嫌悪するかのような口ぶり。狂気に飛び込んでく感じ。

 

・最後のやり取り
高木マックスが大石マルティンに馬乗りになり、なけなしの冷酷さを集めて必死に詰めてく感じ。
マルティンの絶望の表情めっちゃ悲惨。
マックスも感情がめちゃめちゃで泣きながら殴り合いしてるみたいだった。
ハグも最後の手紙の1回だけでマックスは血が滲むような顔してた。
マルティンはコート着るところからはもう虚無。
マルティンが去って行くのを見送ったマックスは無理に笑おうとして泣いてるみたいだった。

 


・青柳マックス
なんかギラギラしてるし焦りでタバコもスッパスパ吸う。
挑戦的なのか諦めの笑いが多い印象。
情勢を俯瞰出来てたのか、グリゼレの安否をお願いするところも実はもう諦めてはいるが君にまだ友情が残ってるなら、という感じに見えた。
髪の乱し方でまともさをとり繕えるのいいな。
服の乱れ方や紙ばらまいたりと演出が派手なのに悲しみや考え込む時は迷いを抱え込むような動きをする。
離れ難い、寂しいの表現が自分に対する相手の反応を試すようでもあってどこか怖さも感じる。

 

・須賀マルティン
この人本当は素質もなく普通の人だったのに状況に飲み込まれてしまったしグリゼレへの愛は本当にひと欠片捨てきれなかったように見えなくもないのマジで仕方がなかったのでは…と思わせるような、
見る側を味方にしてしまうような謎の魅力がある。
繰り返し出てくる「君には分からない」対して哀れみや苛烈さが相手を追い詰める気がなさそうで自然の摂理みたいな顔してるのめちゃくちゃタチが悪い。

 

・最後のやり取り
青柳マックスの追い詰めが怖すぎる。
なんだあの差し出す手は。
君がおかしくなっても変わらない僕みたいな演出は。
ハグがなげぇし腕を絡めとったり逃がさないぞって執着を感じる。
マルティンがコートを着る時は仕方なさが滲み出てたな…。
置いていく指輪と時計もどこか投げやり。
見送ったマックスはやってやったぜ!と確かに思ったのに涙が止まらないみたいな感じだった。

 

余談
高木大石ペアは本当に最後の最後まで目を合わせない触らないようにしてた。
青柳須賀ペアは肝心の問いかけに関してはお互いを見る、触れようとする。
雨や雷で2人の世界がおかしくなるのは大丈夫だったんだけどグリゼレの時には必ず流す音楽と犬の鳴き声で逃げられないナチスの恐怖見せるの怖すぎ。

「温泉防衛バスダイバー」が楽しくておもしろかった感想

先月開催されました熱海怪獣映画祭に行ってきました。
初参加だったのですがすごく濃い空間でした。
その中で3日目に上映された特撮短編映画「温泉防衛バスダイバー」がとっても面白かったので感想を書いたよ!
笑い溢れるとっても楽しい映画でした。
現状どこかで見れる機会がない&現在もブラッシュアップ中とのことなのでそこまで詳しくなくふわっと触れる程度です。
ここに書いてるシーンも編集でなくなってたらごめんやで。くらいの緩い気持ちでお楽しみください。

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「温泉防衛バスダイバー」
監督・脚本:井上森人 主役メカデザイン:パピヨン本田
~あらすじ~
突如温泉が出なくなってしまった温泉地、暑海。
立ち上がらされたのは世襲で就任したやる気なしの冴えない市長。
亡き父の残したロボ、温泉防衛バスダイバーで怪獣グリュウゲとガムサビラス星人に立ち向かう!
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主人公は世襲でやりたくもない仕事をさせられている暑海の新人市長(演:藤村拓矢)。
温泉地で温泉が出ないという大問題にも関わらずこの市長はやる気のなさが全開!
だらだらと繰り出されるやりたくなさが具体的でダメな方面に好感が持てます。
ですがこの男に立ち上がってもらわねばならないのがこの作品、温泉防衛ダイバスターの見どころの一つ。
新人市長のやりたくなさがMAXに達した時、元市長(演:赤星正一郎)の置き土産が発動します。
それが温泉防衛バスダイバー!!!
このあたりから謎技術が節々に発動するのですがそれぐらいないとバスダイバーは作れんやろという説得力が出てくるのがとてもいいと思います。
気苦労の多そうな秘書(演:大迫茂生)と共に元市長の遺言にあった莫大な遺産のために出動します。
選挙カーさながらの演説音声を流しながら街中を進行するバスダイバーがなかなかいいです。

 

暑海市内を潜行するバスダイバーは騒動の元凶であるガムサビラス星人と怪獣グリュウゲに遭遇。
バスダイバーも本領を発揮します。
バスダイバーの中では市長室と似たようなぐだぐだとした空気が流れるのですが、重厚で歴史がありそうな市長室と近未来感溢れる空間とでやってることが一緒というのがちょっと面白いです。
ガムサビラス星人と暑海との因縁やらなんやかんやがあり地上戦へもつれ込みます。
そこで地上に出て気づくのがバスダイバーのカラーリングの良さ!
青い空にもド派手に映える色合い!!表情の読めない顔!!!
えらくシュールです。
ですがこのデザインであることには理由がありこれは作中でも説明されています。
動くとかっこいいかどうかはともかく作品のカラーには見事にマッチしているのでそれはそれですごい。

 

そしてここから熱い戦闘が始まるのですが、私の一番好きなシーンがあるのでこれだけ紹介させてください。
怪獣グリュウゲのパワーに圧倒され倒れ込むバスダイバー。
操縦室内の市長と秘書は操縦室の壁まで滑り落ちてしまいます。
市長はなにくそと足を踏み出し再びバスダイバーの操縦席へ駆け出します。
この市長の革靴が踏み出す一瞬のカットが最高です。
ここまでやりたくないことをなぁなぁで乗り越えてきた市長が自分でやる!と決めたことのために足を踏み出す。
湧きだす温泉の如く熱いシーンです。

 

ついに市街地で戦うことになった怪獣グリュウゲとバスダイバー。
市長と秘書の行く末、暑海の平和と温泉の命運、そして元市長の隠した莫大な遺産はどうなるのか!
須賀川特撮アーカイブセンター所蔵のセットを使用した贅沢なオープンセットと熱い戦闘シーンは是非映画でご覧いただきたいです。


ちなみに序盤から登場するガムサビラス星人。
今作で声を当てているのは近年のウルトラマンシリーズでお馴染みの青柳尊哉さんです。
熱海怪獣映画祭で今作と同時上映されたビビッドマンスーパービデオでは監督の井上森人さんが声を当てています。
ガムサビラス星人自体は武蔵野美術大学の特撮サークルさんが作ってる「ビビッドマン」に登場するキャラクターです。
今回登場した怪獣、青色鶏冠暴獣グリュウゲと並び現状この星人が一番情報量多いです。
後日感想イラストとか描きたい人はビビッドマン公式サイトを見ながら練習しとくといいぞ!
ビビッドマン公式サイト

giantvsmonster2015.wixsite.com

ちなみにこの作品の一番の温泉要素は物販で販売されていたクリアファイルの裏面の漫画だったりするとかしないとか。

どこかでみかけたら是非クリアファイルも買おう!